お湯を沸かすことからお客様にお付き合いいただく茶道には、心を込めて丁寧にお客様をもてなす気持ちが込められています。常に相手の気持ちを気遣い、お互い思いやりの心を持ってお点前の味わいを楽しむのが茶道の心得です。わざわざ足を運んでくださったお客様に感謝し、最高のお茶をお出しする「おもてなしの心」こそが「お茶の心」といえるでしょう。

そのため、喉の渇きを癒していただき、ゆっくりくつろいで頂きたいという気持ちが伝わるようなお茶出しが理想的です。

緑茶や玉露など、お茶によって入れるお湯の最適な温度は異なります。茶托がある場合は、お茶を湯呑みに入れてから茶托にのせてお出しします。茶托に湯呑みがのった状態でお茶を入れると、茶托にくっついてしまうこともあるので、水気は清潔な布巾で拭いておくとよいでしょう。お茶の量は7分目ぐらいまで入れるのが上品な量です。

湯呑み茶碗はタイプによって正面が変わりますが、絵柄がお客様の正面にくるように出します。「お熱いうちにどうぞ」とひとこと添えることで、最適の状態のお茶をお召し上がりいただけるでしょう。

ビジネスシーンでは緑茶をお出しすることをおすすめします。喉の渇きを癒す水分補給だけではなく、カフェインによる脳の活性化や気分転換に役立ちます。打ち合わせや会議中にお茶をお出しする場合は、話を中断させることがないように静かにお茶をお出しして静かに去ることが大切です。ビジネスシーンでは、お客様の邪魔にならないさりげなさが、最適なおもてなしといえるでしょう。

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